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まず1つ共同企画を立ち上げてみようと動き出しています。

 

○山下 
民間の会社というのは、どうしても東宝系、松竹系あるいは四季、いろいろ興行会社の系列がありまして、相互乗り入れは大変難しいです。私どもはどちらかというと阪急東宝グループなんですが、東宝とは特に難しいというのが変な現状でございます。ところが、松竹とは組めるんでよね。さっきも申し上げたかもわかりませんが、「ラヴ」というミュージカルは松竹とドラマシティが共同制作をしたものでございます。劇書房という出版社で演劇制作もやっているところと3者共同で成立して、2年ほど前でございますが、札幌の演劇鑑賞会が5ステージ、公演を引き受けてくれました。
そういう意味で、民間レベルでも劇場単位、ドラマシティと東京天王洲のアートスフィア、あるいはサンシャイン劇場、銀座セゾン劇場、そういうところとのネットワーク。今までは銀座セゾン劇場がつくったものをドラマシティがただ買う、あるいはその逆とかということだったんですけれども、素案の段階から関与することによってプロデューサーの知恵も多少出させていただく、あるいは協力もさせていただく。そういうことで費用分担も、総回数を分母にしてそれを公演回数で割る。あるいはキャパシティーの違う劇場と組む場合は、フルキャパシティーの案分で費用を分担する、そういうふうな時代になってまいりました。
例えばドラマシティだけでやる、東京でやる。やる以上は大道具なんかもつくらなくちゃいけないわけですけれども、2者が分担すると、大道具で1000万かかったものを6対4で割ると、結果として600万円でつくれたということになるわけですね。大阪は1000万のものを400万でつくったということになりますから、そういうやり方がこれから非常にふえてくるだろうと思います。
ですから、それが民間同士で成立するのであれば、ドラマシティと皆様とがネットワークを組んで、お互いに知恵を出し合って1つのミュージカルをやるということも、あながち難しいことではありません。そういうことによって、高い買い物をされるということはなくなるわけですから。そういう意味での積極的なネットワーク説というのもつけ加えて、最後にしたいということでございます。

 

○前田 
長時間になりましたけれども、今ちょうど4時半でございます。これで終わらせていただきたいと思います。今後とも何かにつけて皆さんの情報の中に我々も入れていただいて、機会がありましたらまた情報交換などおつき合いをさせていただければ大変ありがたいと思います。

 

 

 

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